これさえ読めば判断に迷わない空き家の賢い活用方法

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近年「空き家問題」がニュースや新聞でも取り上げられ話題となっています。2013年に総務省より発表されている「平成25年住宅・土地統計調査(速報)」でも、全国の総住宅数は6,063万戸、そのうち空き家件数は過去最高の820万戸、空き家率は13.5%と結果が出ています。

つまり、10件に1件は空き家が発生しているという計算になります。さらに年々空き家率は推移しており今後もますます増えていくと予想されています。その主な理由としては、人口減少や高齢化、さらには新築中心の住宅政策が増えるだろうという見通しからです。

しかし、これ以上空き家が増え続けるとあらゆる問題が起こります。建物の倒壊、ごみの不法投棄、治安の悪化、火災の原因などが主な問題事例になります。

そのような問題を少しでも減らそうと空き家活用に取り組んでいるビジネスや企業が増えつつあります。今回はそんな取り組みをされているビジネスや企業の実例をいくつか紹介していきます。また、インタビューにご協力いただきました株式会社ジェクトワンの実例も写真を踏まえて紹介します。

住居を相続し空き家になるであろうと悩んでいる方、もしくは空き家になってしまい数年経ってしまいどのように空き家を活用してよいのかわからないという方のために少しでも参考になれば幸いです。

1.空き家の活用方法11

あなたが空き家所有者になった場合、その空き家をどうすれば良いのかわからないという方が大半だと思います。しかし、せっかくの思い入れのある住居を何も活用せずに空き家のままにしてしまって本当に良いのでしょうか。せっかくなら上手く空き家を活用した方が良いとは思いませんか?

一体今までどれくらい多くの空き家ビジネスが生まれているのか、その実例を踏まえて今から空き家の活用方法を11選ご紹介していきますので是非とも参考にしてみて下さい。

1-1「アキサポ」の取り組み

「アキサポ」とは、株式会社ジェクトワンが20166月から空き家の再生が地域の活性化に繋がるようにと地域コミュニティ事業部を立ち上げて、現在社会問題である空き家問題解決に向けて開始をした、空き家活用サービスの取り組みの事です。

この「アキサポ」サービスが生まれた背景には、「空き家=活用するもの」という認識を、一般化させたいという代表取締役大河様の想いがあります。

サービス内容ですが、首都圏エリア13県をメインに、空き家オーナーより57年定期借家契約を行い借り受けして、リフォームを「アキサポ」が負担して第三者に賃貸するという仕組みです。

1案件お申し込み~賃料発生までの期間は約13ヶ月間程度になります。地域に密着した空き家活用をするために物件の近辺調査を行ってから、空き家オーナーに寄り添った提案を行っているサービスです。

株式会社ジェクトワンはこのサービスを広めるために多くの取り組みも行っています。インスタグラムやSNSの発信、フリーペーパー「空き家手帳」の発行、TVや新聞などへのメディアの取り上げ、展示会の参加などで多くの方に注目して頂けるよう尽力を尽くしています。

取り組みを開始して僅か1年間ですが、問い合わせがあった件数は20件、そのうち3件が実例としてあがっています。今回はインタビューにご協力頂き、写真の提供も頂いたので、次より写真を踏まえながら1件ずつ実例をご紹介していきます。

①小石川店舗の事例

東京都文京区小石川5丁目の丸ノ内線「茗荷谷」駅から徒歩5分の場閑静な住宅街にある三軒連なっている木造2階建ての長屋の真ん中に位置している一軒家を、長年住居としてお住まいのお客様から“相続前に貸せる物件へとリフォームをしたい”と要望を受け、アキサポがリフォームして飲食店として活用しているという事例があります。元々は売却も検討していたそうですが、なかなか売却も出来ず、相続する前に何か活用できないかとご相談されたそうです。飲食店として活用をした事で、若くして店舗を出したいというオーナー様とも繋がり、明るくなってにぎやかなスペースとなったそうです。また、地域の方々にも多く利用される憩いの場所となり、地域活性化にも繋がったそうです。

  • 物件タイプ:木造長屋2階建(元住居)
  • 敷地面積:約8
  • 築年数:不明
  • 活用期間:1年間

住居外観リフォーム前

リフォーム後

②大田区バイクガレージの事例

東京都大田区京浜急行「雑色」駅から徒歩7分の場所にある工場と2階建ての賃貸倉庫を、父親から相続されたというお客様から、“父との思い出の場所を残したい”という要望を受けて、アキサポがバイクガレージとして活用しているという事例があります。周辺環境を市場調査した結果、京浜沿いでバイクユーザーも多く、また高級バイクが盗まれにくい視認性の悪さを生かして、工場をバイクガレージに活用したそうです。倉庫の借り手もなかなかいなく困っていたが、売却は考えていなかったそうなので、要望が叶えられて活用する事ができたとお客様から喜ばれているそうです。

  • 物件タイプ:木造平屋建(元工場)、鉄骨造2階建(元倉庫+事務所)
  • 敷地面積:約28
  • 築年数:27(木造平屋は不明)
  • 活用期間:6ヶ月

住居外観

リフォーム前

リフォーム後

③愛川町戸建住宅の事例

神奈川県愛甲郡愛川町の小田急小田原線「本厚木」駅からバスで40分の場所にある一軒家を、長年住居としてお住まいのお客様から“子どもたちがまた住める家として残したい”という要望を受け、アキサポがリフォームをして賃貸住宅として活用している事例があります。大切に暮らしていた思い入れのある住居だったため、保管状況も非常に良かったので賃貸住宅として貸し出しをする事が出来たそうです。また、賃貸として利用している方はお子様をお持ちのご家族様。今回依頼されたお客様と同じ世代の方に満足して利用され、さらに住居も資産として残ったので、要望が叶えられたと大変喜ばれているそうです。

  • 物件タイプ:木造2階建て(元住居)
  • 敷地面積:約21
  • 築年数:31
  • 活用期間:3ヶ月

住居外観リフォーム前リフォーム後

<メリット>

  • アキサポがリフォーム費用を負担
  • 定期借家契約中は固定資産税分程度の安定した収入が得られる
  • 利用者募集、トラブル対応、建物管理、運営など万全のサポート体制

<デメリット>

  • 周辺環境の市場調査を行った上での判断となる
  • 空き家所有者の全員が納得して初めて実現する

1-2コミュニティスペース

コミュニティスペースとは、地域の住民の方が集まり触れ合うための場所の事を言います。空き家を有効活用する一つとして、空き家所収者が収益を度外視して、主に地域活性化や地域貢献を目的に地方自治体やNPO法人へ空き家を寄贈して、空き家をコミュニティスペースとして活用するという事例も増えつつあります。

事例として、世田谷区の「世田谷区社会福祉協議会」が行った「小林ふれあいの家」がそうです。

世田谷区社会福祉協議会 小林ふれあいの家の事例

元々お住まいだった小林様から「地域の皆様で有効に活用して欲しい」と住居を寄贈され、世田谷区社会福祉協議会のメンバーがリフォームし、社協所有の活動拠点として利用しているそうです。ミニデイ1団体、サロン3団体、子育てサロン1団体の5団体が活動を行っており、男性のボランティアの有志メンバーにより、花壇の植え替えや敷地内の除草作業を一か月毎に行い、大切に寄贈された住居を活用しています。

参考:世田谷区社会福祉協議会 小林ふれあいの家(http://www.setagayashakyo.or.jp/service/sasaeai/kyoten/page-20150303153750/)

また、もう一つの事例として同じく世田谷区の「一般財団法人世田谷トラストまちづくり」が行った「シェア奥沢」もそうです。

一般財団法人世田谷トラストまちづくり シェア奥沢の事例

世田谷区では近年空き家が56,000戸程あり問題視されていました。そこで、平成25年度から「空き家等地域貢献活用モデル事業」の取り組みを開始しました。その内容は空き家所収者や地域活動団体を中心に、空き家を地域貢献活用できる企画として募集をするというものでした。そのモデルケースとして選ばれたのが「一般財団法人世田谷トラストまちづくり」が行った「シェア奥沢」です。

モデル候補として選ばれた世田谷区からの助成金を元に、昭和初期に建てられた築80年の古民家を再生し、コミュニティスペースとして地域の方々に利用されています。活用方法はコワーキングスペース、シェアキッチン、トークイベント、音楽鑑賞会、子供が参加できるものづくりワークショップなど広範囲に及びます。公共施設とは違い様々な活用方法が出来る使い勝手の良さや、お洒落な雰囲気から人気を博しています。

参考:一般財団法人世田谷トラストまちづくり シェア奥沢(http://share-okusawa.jp/)

<メリット>

  • 空き家を無駄にせず、地域活性化や地域貢献が出来る

<デメリット>

  • 老朽化している場合の耐震工事の費用、維持費、家賃の調整が必要
  • 地方自治体やNPO法人による費用対効果の判断次第で運営可能か決まる

1-3店舗活用

空き家有効活用の一つとして店舗として活用するというケースが増えてきています。その背景には、地方では空き家問題だけではなく商店街の空き店舗問題も影響しています。そのため、地方の自治体では産業復興支援として補助金を出して運営を促しているケースもあり、最近では商工会議所なども支援の一環として対応している所もあるそうです。

立地条件が悪い場合は、物理的条件に左右されない事務所や倉庫としての活用もあるそうですが、立地の良い場合は自治体や観光復興団体などが借り上げを行いカフェや土産物店やレストランなどに転用し運営しているそうです。しかし、最近は住居やビジネスに向かないような立地条件の悪い場合でもマーケティングやコンセプトを工夫して、隠れ家的お店として構える事で成功もしているので店舗としての活用方法は今後も増えそうです。

事例として、兵庫県神河町の「かみかわ田舎暮らし推進協会」が行った「かみかわ銀の馬車道」がそうです。

かみかわ田舎暮らし推進協会 かみかわ銀の馬車道の事例

神河町は人口1万人程度の町で、近年人口減少に伴い空き家が目立つようなっていたそうです。そこで、「かみかわ田舎暮らし推進協会」は神河町空き家プロジェクトの一環として、空き家バンクと補助金制度を活用して空き家を店舗(兼住宅)に改修しました。

うどんや蕎麦、ピザ、パン工房、マッサージ店、古民家を活かしたレストランやカフェといった多くの空き家を店舗に活用させています。また、店舗の改装費の補助だけではなく移住者の悩みを聞く相談員の配置などきめ細かやかなサポートも行った事で、神河町への移住者も多く増えて、今では地域の交流の場としても活用されているそうです。

参考:かみかわ田舎暮らし推進協会 かみかわ銀の馬車道(http://kamikawa-ginbasya.jp/akiya/)

<メリット>

  • 空き家を無駄にせず、地域活性化や地域貢献が出来る
  • 企業へ定期借地契約、自ら店舗運営の場合どちらも収入を得られる

<デメリット>

  • 周辺環境の市場調査を行う必要がある
  • リフォーム期間が長い、費用も多く掛かる

1-4民泊施設

「民泊」とは、一般の住宅を宿泊施設として一時的に観光客に提供する仕組みの事を言います。近年、外国人観光客が急激に増加しているものの、宿泊施設が足りていないという事が問題視されており、空き家を民泊施設として利用するべきではないか、ということで注目されており事例も増えつつあります。通常は民宿など宿泊施設として取り扱う場合は「旅館業法」に基づき、防犯や衛生面などの基準をクリアし、都道府県知事の許可が必要となります。しかし、収益目的としてではなく、あくまで一時的な宿泊という目的であり、180日以内の営業日数であれば民泊として「旅館業法」の許可がなくても扱うことが認められてきています。

そのため、政府は東京オリンピックに向けて外国人観光客の宿泊施設不足の問題の解決策として民泊を行うべく「国家戦略特区」を設置しました。また、「国家戦略特区」の自治体であれば、「旅館業法」を適用せずとも民泊を行う事が出来るという、民泊条例を定める事を可能としました。現在、民泊条例が定められているのは大阪市と東京都大田区のみです。今後はますます増える予定です。

また、20186月には「民泊新法」が制定されるため、今までは「旅館業法」での一定の基準と都道府県知事の許可が必要でしたが、これからはインターネットからの行政庁への届出のみで民泊が可能になる予定です。さらに、民泊の大手サイト「Airbnb」を利用すれば世界中のツーリストの中から、民泊の利用希望者をウェブ上でマッチングして集客してくれるため集客に関しても苦労する心配はありません。ただし、「Airbnb」には料金の一部を手数料として支払う必要があります。

事例として、茨城県常陸太田市(旧里美村)の「NPO法人遊楽」が行った「里美古民家の宿荒蒔邸」がそうです。

NPO法人遊楽 里美古民家の宿「荒蒔邸」の事例

NPO法人遊楽」は、常陸太田市(旧里美村)からの行政補助を受けて、築150年の旧市街地の立地にある80坪の平屋建ての古民家を、伝統的な雰囲気を醸し出す囲炉裏端やかまどなどを残したまま整備して、会員制の貸し別荘型の農家民宿(簡易宿所)として蘇らせました。

会員制のため会費は年間10,000円で一泊13,000円、11組限定で4名~利用が可能です。蕎麦打ちや餅つき体験などの田舎暮らしも満喫する事が出来て、心身ともにリフレッシュが来ると評判で、年間300400人ほどの利用があり大変人気の施設となっています。

参考:NPO法人遊楽 里美古民家の宿「荒蒔邸」(http://www.yuu-group.co.jp/kominka/index.html

<メリット>

  • 旅行客が多く需要が多いため、集客も比較的簡単に行える
  • 初期費用が少なく民泊経営が行える
  • 短期滞在者が多く辞めたい時に辞める事が出来る

<デメリット>

  • 周辺住民からの理解を得る必要がある
  • 世界各国からの旅行客とのトラブルが発生する
  • 旅館業者、旅館業法との兼ね合いが問題視される

1-5移住者体験施設

「移住者体験施設」とは、生活に必要な家具や家電製品が備え付けて、移住希望者に生活物資の揃った住宅を一定期間貸し出し、即座に生活体験をしてもらうことで移住に繋げようとする試みの事を言います。期間として数日~数ヶ月間を、無料または安価に貸し出す方式が採用されています。

多くの自治体では過疎化による税収入の定価から、移住対策事業として田舎暮らしが体験できる体験用住宅の提供や体験ツアーなどを行うようになりました。自治体によって名称は異なっており、移住体験住宅、お試し居住住宅、お試し暮らし住宅、生活体験住宅、田舎暮らし体験住宅など様々です。

実は今まで自治体では、自治体の施設見学や自然体験、地場産業の体験など、複数の体験プログラムを用意した移住体験ツアーなど数多く企画を計画し運営を行っていましたが、多額の費用や時間を割いても思ったような成果が出ていない現状でした。

なぜなら、短期間の移住体験ツアーでは、限られた時間内のため本来の日常を体験する事が出来ず移住するかどうかを判断する事が出来なかったためです。そこで、多くの自治体は「移住体験施設」を設置した方が、日常生活を体験して貰う事も出来て、移住促進にも重要ではないかと考えるようになりました。そのため、空き家を移住体験施設として活用している自治体も増えてきている現状です。

事例として、岐阜県加茂郡白川町の「白川町 移住・交流サポートセンター」が行っている「田舎暮らし体験住宅 どさない」がそうです。

白川町 移住・交流サポートセンター 田舎暮らし体験住宅「どさない」の事例

「白川町 移住・交流サポートセンター」は、白河町を知らない町外在住者の方にも安心して暮らせるようにと、田舎暮らし体験住宅に「心配ない・大丈夫」という意味の白河町の方言の「どさない」と名付けて運営しています。

田舎暮らし体験住宅「どさない」では、定期建物賃貸借契約で借り上げた空き家を、移住希望者に光熱水費など諸経費込みで利用料1ヶ月30,000円、最長3ヶ月間提供しています。また、田舎暮らし体験住宅は2軒あり、平成4年築と明治37年築の古民家です。

どちらも白河町内にありますがそれぞれ魅力が違い、自然を近くに感じられる佐見地区か、町内の中心地に位置する三川地区か選べるので、どちらが自分の生活に合うのかなど判断する事が出来るので利用者からは好評を得られています。

参考:白川町 移住・交流サポートセンター 田舎暮らし体験住宅「どさない」(http://www.shirakawa-ijuu.com/dosanai/index.html)

また、もう一つの事例として神奈川県三浦市の「三浦市役所」が行っている「トライアルステイ(お試し居住)」もそうです。

三浦市役所 トライアルステイ(お試し居住)の事例

「三浦市役所」はR不動産株式会社と提携し、「トライアルステイ」という事業を立ち上げ、三浦市への移住を検討されている方に、空き家を活用して短期間のお試し居住を体験してもらう「移住のきっかけづくり」を行うプログラムの取り組みを行っています。

こちらは通年の事業ではなく、開催時期の間だけR不動産株式会社と提携して、空き家を借り上げて、参加者へ転貸する仕組みを取っています。今年で3回目のイベントとなり、毎年人気を博しています。今回の開催時期は平成2912月~平成302月まで、1ヶ月毎の滞在期間に合わせて移住希望者を募集しています。

因みに候補となる空き家はプログラムの一環のため、賃料は市場価格を参考に決められ、リフォーム費用も掛けずに現状のまま貸せる物件のみ対象となります。いわば短期間の間のみ体験用住宅として貸す形のため、賃貸物件のような位置づけですが、滞在の間に移住希望者がそのままその物件を借りる例もあります。毎年募集人数よりも多くの滞在希望者がいるため、今後も人気のイベントになりそうです。

参考:三浦市役所 トライアルステイ(お試し居住)(http://www.city.miura.kanagawa.jp/hisho/trialstay.html)

<メリット>

  • 空き家を無駄にせず、地域活性化や地域貢献が出来る
  • 集客に困らずに運営が出来る、安定的な収入が得られる

<デメリット>

  • 地方自治体やNPO法人による費用対効果の判断次第で運営可能か決まる
  • 自治体で所有する住宅がある場合、そちらを優先して活用される
  • リフォームなどせず現状のまま貸せる物件に限られる

1-6福祉・医療・介護施設

高齢化社会が進むにつれて、介護施設の不足も問題となっている背景を受けて、空き家を福祉・医療・介護施設に活用する事例も増えつつあります。

特に高齢化が進んでいる田舎ではニーズが高く、空き家を利用したフランチャイズ型デイサービス事業を展開している企業や、一部の自治体ではグループハウスやデイサービスへ空き家を転用する事業者に対して補助金を出しているケースもあります。こちらの補助金でバリアフリーへのリフォーム、火災報知器やスプリンクラーの設置といった工事費用の一部として使われます。運営費用に関しては事業者負担となっています。

また、2016年1月に政府は、空き家を在宅介護対応可能住居へ転用する事業を進める事を発表しています。この事業が進む事で、家族が介護に対応できない際の短期間宿泊施設としての利用や、介護する家族との長期間同居できる場所として利用できる空間を提供する事が可能となるので多くの期待が寄せられています。

さらに、今後は待機児童問題も増えている現状のため、介護施設と同様に保育施設などの空き家活用も進むと考えられます。すでに、東京都では待機児童問題解消のため、空き家を利用した保育施設の事業者に対して補助金を出すなどの取り組みを行っています。

事例として、「空き家バンクで福祉のまちづくりを考える会」が行っている「空き家バンク情報センター」の活動がそうです。

空き家バンクで福祉のまちづくりを考える会 空き家バンク情報センターの事例

「空き家バンクで福祉のまちづくりを考える会」とは、福祉に特化した空き家活用を目指して取り組んでいる特定非営利活動法人であり、地域福祉の増進に寄与するため、空き家などを活用して行う福祉のまちづくり活動を行っています。

活動拠点である鳴門市では、約2,690戸の空き家があると言われており問題視していた事をきっかけに、空き家を福祉のまちづくり活動に活用する事によって、地域の人達の目に触れやくなり、地域に根ざした活動拠点に繋がるのではないかと考え行動を開始しました。平成252月に設立し、平成265月に特定非営利活動法人に認定されたそうです。

平成20年にボランティア活動の一環として、自宅の一角を改造し、子どもや地域の人々の憩いの場を創出した「コミュニティはうすTSUDOI」は、放課後児童の健全育成を図る目的で開設されました。

また、活動に賛同された「NPO法人 JCI Teleworkers’ Network」は平成16年度より、遊休施設となっていた「鳴門市役所堀江出張所」を鳴門市から借用し、活動拠点「JCI鳴門UPセンター」として障がい者支援活動の拠点として活用しています。同じく活動に賛同された、「NPO法人 コスモスはうす」は空き家になりそうな民家を再生し、高齢者の宅老所として運営しています。

参考:空き家バンクで福祉のまちづくりを考える会 空き家バンク情報センター(http://jci-tws.com/n-akiya/casestudy.html)

<メリット>

  • 空き家を無駄にせず、地域活性化や地域貢献が出来る
  • 施設が不足しているためニーズが高い

<デメリット>

  • 医療・福祉・介護の働き手が不足している
  • 地方自治体やNPO法人など対応可能な運営団体を探す必要がある

1-7文化施設

昔ながらの伝統ある古民家は文化施設として活用するという手段もあります。古民家はヒノキなどの良質な木材で作られている事も多く、住宅の保存環境も良いため、文化施設として残して伝統を引き継いでいくという意味ではとても良いでしょう。

ただし、文化施設として扱うにあたり耐震工事の費用や運営費などを考えると個人で管理をするのは難しいため、運営してくれるNPO法人や自治体を探さなくてはいけません。基本的に古民家の再生に関しては、地域の市民や団体、歴史文化活動団体や商業団体等が参加する研究会や委員会により活用構想や管理運営などを検討して運営をしているので、いくつか相談をしてみましょう。

事例として、「NPO法人吹田歴史文化まちづくり協会」が行っている「吹田歴史まちづくりセンター浜屋敷」がそうです。

NPO法人吹田歴史文化まちづくり協会 吹田歴史まちづくりセンター「浜屋敷」の事例

平成12年5月に「NPO法人吹田歴史文化まちづくり協会」は、江戸末期に建てられた庄屋屋敷の歴史的古民家を所有者から寄付され、市民の文化活動や交流の場として活用する事を目的に、平成14年6月改修工事を始め平成15年3月に「吹田歴史まちづくりセンター浜屋敷」として完成しました。

市と市民の皆さんが協働しながら、地域に息づく歴史や文化を保存し発展させる事により、吹田の歴史と文化のまちづくりに貢献しようと取り組み、観光や交流の場としても役立つ文化施設として親しまれています。

参考:NPO法人吹田歴史文化まちづくり協会 吹田歴史まちづくりセンター「浜屋敷」(http://hamayashiki.com/)

また、もう一つの事例として「NPO法人伊勢河崎まちづくり衆」が行っている「伊勢河崎商人館」もそうです。

NPO法人伊勢河崎まちづくり衆 伊勢河崎商人館の事例

「伊勢河崎商人館」は、江戸時代から300年以上続いてきた酒問屋(元小川酒店)を活用したまちづくりの拠点施設です。江戸時代からの代表的な商家の建物を残す事により、水運で栄えた問屋街河崎の歴史文化を伝える貴重な文化遺産であるとして、伊勢市に保存再生を粘り強く話し合い働きかけた事により、伊勢市が土地を購入し建物を修復する事になりました。

しかし、交渉の過程で開館後の運営費や人件費などの負担は住民が責任を持って行なうという確約を求められ、責任の所在を明確にするために平成11年に「NPO法人伊勢河崎まちづくり衆」を設立しました。伊勢市が平成1314年の2年に渡り修復工事を行い、「NPO法人伊勢河崎まちづくり衆」のまちづくりの拠点施設として平成14825日に「伊勢河崎商人館」は開館しました。

河崎の伝統的な町並みを活かし、景観を次の世代に引き継ぐ役割と共に、河崎に住む人と訪れた人が観光し交流する場として運営をしており、平成18年には伊勢市の指定管理施設に指定されました。

さらに、伊勢市を代表する文化施設としての活用だけでなく、近隣にある空き家や空き蔵の所有者と、商業施設や飲食施設等の開業希望者とのマッチングも行い、実際に契約にも繋がっており地域活性化にも貢献しています。

参考:NPO法人伊勢河崎まちづくり衆 伊勢河崎商人館(http://www.isekawasaki.jp/)

<メリット>

  • 空き家を無駄にせず、地域活性化や地域貢献が出来る

<デメリット>

  • 老朽化している場合の耐震工事の費用、維持費、家賃の調整が必要
  • 地方自治体やNPO法人による費用対効果の判断次第で運営可能か決まる

1-8 地方自治体・空き家バンク

全国の地方自治体が行っているサービスに「空き家バンク」というサービスがあります。「空き家バンク」とは、空き家所有者から物件の情報を集め、ホームページに物件情報を提供し、空き家所有者と希望利用者をマッチングさせる取り組みです。しかし、あくまで地方自治体はマッチングさせるまでであり、その後は当事者同士でどのように活用するか、直接話し合いやり取りをする流れとなります。

今では、市町村の半数以上の都道府県4分の1以上が空き家バンクを開設しておりその数は平成27年度12月時点で750にも及ぶと言われています。これだけ空き家バンクの数が増えた背景には、情報提供だけでは空き家問題の解決が出来ず、今も尚活用されていない空き家が増え続けている現状があると言えます。

特に地方の人口が減少している地域にとっては問題視されており、田舎から移住する若者をターゲットに、空き家バンクを利用して移住した方へインセンティブを設ける制度なども増えてきています。主なサービス内容はリフォーム等の改修費用の助成・補助制度です。

また、現在の空き家バンクは自治体単位で運営していますが、今後は空き家バンクの登録を一元化し、全国版の空き家バンクをスタートする動きも出てきています。

<メリット>

  • 登録料、成約料もかからず空き家物件掲載が出来る
  • 地方自治体に任せて空き家利用者と簡単にマッチングが出来る

<デメリット>

  • マッチング後は利用者との話し合いは自ら行う
  • 空き家所有者と利用者との賃貸借契約の手続きも自ら行う
  • 第三者の不動産業者に契約や管理を頼む場合は金額が発生する

1-9シェアハウス

シェアハウスとは、1軒家を数人で共有して居住する居住形態の事を言い、それぞれ賃貸人は独立しているため賃貸借契約を入居者数結びます。また、シェアハウスの特徴としては賃貸人毎に賃料、敷金、礼金、更新料のやり取りとなり、シェアハウス利用者を限定して受け入れる事が出来ます。シェアハウスの利用者の目的は様々ですが短期滞在者が多いため、期間が終了したら確実に出て行ってもらう事が出来る定期借家契約を結ぶ事が基本的な契約の流れとなります。

現状、田舎では賃貸物件が充実していなく、マンションやアパートよりも戸建ての物件が多いものの、利用者の多くの単身者にとってはあまりにも大きい物件となってしまう傾向でした。そこで、空き家をシェアハウスとして貸し出すという活用方法が生まれました。

利用者からしてみれば1人で物件を借りるより賃料を安くできるという点もあり、空き家所有者からしてみても入居者が数人いれば収入は得られて空室リスクも減るため、双方にとっても利点があるとの事で、シェアハウスの需要も増えてきています。

とはいっても、空き家をシェアハウスとして利用するにあたり、部屋を個別に分けて鍵を付けたり、シャワーやトイレを複数設置、キッチンや共有スペースにも工夫が必要です。そのため、初期費用はかかりますが一部リノベーションをしなければ現状のまま空き家をシェアハウスとして活用するのは難しいでしょう。

次に問題になるのが入居者を探す事です。そこでおすすめしたいのがシェアハウス利用者とマッチングできるサイトの利用です。シェアハウスの需要が高まっているためマッチングサイトも増えています。

その中でおすすめなのが下記の3つです。

ただし、1点注意が必要なのは上記のようなサイトを利用して入居者をとマッチングする事は出来ますが、賃貸借契約の締結、やり取りなどは直接自分で行わなければいけませんので、心配の方は別途不動産業者にお願いするなどの対応が必要です。

また、シェアハウスの管理が最後は問題となります。複数の入居者を管理する必要があるので、自分一人で管理するのは正直大変でしょう。シェアハウス内の人間関係トラブルや掃除やごみ出しなどのルール決めなど、入居者のフォローがこまめに必要です。

そこで管理会社に管理は委託する事をおすすめします。しかし、管理会社にシェアハウスの管理委託をすると、一般のマンション管理より大変なため管理費用が少し高額になります。管理費用の目安は平均的に賃料の10%くらいです。その分、通常の賃貸よりも複数の入居者から収入が得られる事を考えるとそこまで高いという事もないでしょう。

<メリット>

  • 空き家を無駄にせず家賃収入を得られる
  • マッチングサイトを利用して入居者を集められる
  • 空室リスクの心配が少ない

<デメリット>

  • 管理が面倒くさい、人間関係トラブルが多い
  • リノベーション費用など初期費用が掛かる
  • マッチング後は利用者との話し合いは自ら行う
  • 空き家所有者と利用者との賃貸借契約の手続きも自ら行う
  • 第三者の不動産業者に契約や管理を頼む場合は金額が発生する

1-10 借主負担DIY型賃貸

「借主負担DIY型賃貸」とは、借主が自己負担でリフォームをする前提で、空き家に手を入れない状態で空き家を賃貸する方法の事です。通常は貸主である所有者が、内外装の修繕を行い、きれいな状態にした上で賃貸を行う事が主流でした。その理由は、借主が新しい物件やきれいな物件に契約する確立が、当たり前ですが高かったからです。

しかし、最近ではDIYも話題となり、自分自身で住居をリフォームしたいという方の傾向が多く増えてきました。そこで、住居に支障がある程の大きな修繕でなければ、そのまま借主に引き渡し、借主が自分で修繕しながら居住するDIY型賃貸が増えてきたのです。

ですが、借主負担DIY型賃貸にしても、貸主としても承服できない修繕はあり得るため、事前に修繕可能箇所の取り決めは必要です。それでも空き家オーナーからしてみたら事前にリフォームする手間や費用が掛からず賃貸が出来て、物件を返却される際には原状回復する必要もないため簡単に収益を得られる最適な活用方法です。

さらに、空き家バンクを利用して借主負担DIY型賃貸の借主を探す事が出来れば、初期費用も全く掛からずリスクも抑えられて収益も出せるので、これ以上にない空き家の活用方法と言えるでしょう。

<メリット>

  • 初期費用が掛からず家賃収入を得られる
  • 物件がきれいになって返ってくる
  • リフォームなどせず現状のまま物件を貸せる

<デメリット>

  • 修繕費が借主負担なので家賃が安い
  • 事前に修繕可能箇所の取り決めを決める必要がある
  • 不動産業者に仲介・契約・管理を頼む場合は金額が発生する

1-11 売却

どうしても空き家を活用したくても活用できない空き家もあります。その場合は売却を考えるのも良いでしょう。そのまま放置しておくと建物の倒壊、ごみの不法投棄、治安の悪化、火災の原因といった問題に繋がってしまいます。

築年数が30年以上経過しており建物自体が古い、建築するにも費用が高い、解体する際に莫大な費用が掛かる、活用方法と運営先が見付からないなどの場合は売却を検討する事をおすすめします。立地条件や家屋の状態でどれくらいの金額で売却できるかは異なりますが、それでも売却する事で税金や固定資産税などの支払いもなくなり、一時的ですが収入も得られるため、空き家を無駄にする事はなくなります。

ただし、売却を考えるのは活用方法が見付からない、他に良い手段がない、といったありとあらゆる手を使ってもどうする事も出来ない時に考える最後の方法にするべきです。

一度手放してしまった住宅は再度購入しない限り戻ってきません。思い入れのある住宅を活かせる方法があるのであれば、そちらを優先したほうが将来的に役に立つ可能性が十分あります。そのため、売却する場合は手を尽くしてから他に手がない場合に行いましょう。

<メリット>

  • 一時的に収入が得られる
  • 固定資産税や税金の支払いをしなくて済む

<デメリット>

  • 立地条件、家屋の状態、築年数で金額が決まる
  • 譲渡所得税がかかる

2.空き家の相談窓口

あなたが空き家を活用したいと考えている場合、どのように空き家を活用するべきか相談できる第3者のパートナーが必要です。なぜなら空き家の活用には地域や空き家の特徴によって向き不向きの活用方法があるからです。

また、どうしても空き家オーナー1人だけが導き出せる答えではありません。活用方法の相談、運営方法、リフォーム・管理費用、地域の市場調査など空き家活用には多くの問題が残っています。その全てを空き家オーナーが解決する事は出来ません。

もし万が一、活用の判断を誤れば収益が赤字に転じるどころか、それまでにかかった初期費用や時間など全てが無駄になってしまう可能性もあります。そうならないためにも必要な知識を持った人の見解を聞くのは最も重要なため、必ず第3者からのアドバイスに耳を傾けて下さい。

次から空き家の相談窓口を3つ紹介します。それぞれメリットデメリットがあるため相談内容によって異なりますが、全て比較し検討する事で、自分に合った空き家の活用方法が見付かる筈です。異なる立場から異なる見解でアドバイスを聞く事によって、客観的により良い活用方法を見出す事が出来るでしょう。

2-1不動産業者

不動産業者は大手や地域密着型など多様な形態がありますが、地元に根付いた不動産業者に相談する事をおすすめします。不動産業者は幅広い情報網があるため、あらゆる情報を網羅しています。

たとえば、もうすぐ近くに新しい建物が建つ、地域的にどういった人がメインターゲットになるのか、という情報があるだけで活用方法の提案の幅が広がるでしょう。ましてや、そのまま空き家を活用した場合借り手を仲介してくれて、そのまま管理をお願いする事も可能です。

また、それだけでなく不動産業者は不動産のプロとして、空き家の状況から、賃貸として活用するべきか売却するべきか判断もしてくれます。空き家問題が深刻化している昨今、不動産業者は空き家に関する様々な相談に答えてくれる窓口としての存在力も高く、頼りになるパートナーといえるでしょう。

もちろん、空き家活用後に不動産業者に賃貸借契約の仲介・管理、賃借人募集、貸借人との問題解決といった業務だけ任せる事も出来ます。不動産業者に相談する場合は1社だけでなく数社比較し、信用できる不動産業者を見極めましょう。

自分の大切な所有している住宅に対して、どれだけ親身に丁寧に対応してくれるか、やり取りの中でじっくり判断して決めるべきです。

<メリット>

  • 幅広い情報網があり、提案の幅が広がる
  • 空き家を賃貸で活用するべきか、売却するべきか判断できる

<デメリット>

  • 数社比較して信用できる不動産会社を判断する必要がある

2-2 地方自治体・空き家バンク

全国の地方自治体が精力的に取り組んでおり、空き家活用において蓄積されたノウハウを所有し、空き家所有者と空き家利用希望者のマッチングサービスを行っているため空き家の活用においては相談するべきでしょう。

ただ、あくまで「空き家バンク」とは地方自治体が行うサービスの一環であるため、掲示板上でのやり取りに過ぎません。つまり、多くの情報を発信して集客までのお手伝いや、空き家の活用におけるアドバイスはしてくれますが、マッチング後のやり取りに関しては自分で責任を負う必要があります。

また、地方によって空き家バンクを使う事でリフォーム等の改修費用の助成・補助制度を設けたインセンティブを出していたりと、地域毎に地方自治体の空き家バンクに対しての取り組みが違います。そのため、エリアによって取り組みの姿勢が違います。

とはいっても、登録料や成約料も掛からず情報を広める一つの手段として使う事が出来て、借り手を見付ける事が出来るので手軽にはじめられるサービスとして利用しない手はないでしょう。

地方自治体は空き家問題に対して積極的に動いてくれるため、借り手が見付からない場合は空き家を地方自治体が管理、運営をしてくれるケースもあります。空き家バンクを利用する事で考えていなかった活用方法に出会う事もあります。

今後は空き家バンクの登録も一元化し、全国版の空き家バンクをスタートする動きも出てきているため、全ての情報が統一化されれば大きな情報発信サービスとなり、空き家バンクを利用した相談もさらに増えるでしょう。

<メリット>

  • 無料で手軽に空き家物件掲載が出来る
  • 空き家利用者と簡単にマッチングが出来る

<デメリット>

  • マッチング後のやり取りは自分で責任を持って行う
  • 地域によって空き家バンクの取り組み姿勢が異なる

2-3 NPO法人

NPO法人は利益を追求せずに社会貢献事業を行っている団体のため、中立的な立場で助言をしてくれる唯一の存在でしょう。空き家問題が深刻な問題となってきているため、空き家問題に特化したNPO法人も存在していきています。多くのネットワークを所有しているNPO法人は有益な情報を所有しています。そのため、空き家を活用したい場合NPO法人に相談した場合は無償で手助けをしてくれる可能性が高いでしょう。

ただし、あくまで中立的な立場からのアドバイスに過ぎませんので、専門知識があるとは限りません。プロのアドバイスが必要なのであれば不動産業者からの情報を信用するべきでしょう。しかし、不動産業者の場合は利益を求めて活用方法を薦める場合や管理の委託目的の場合もあります。その点、NPO法人であれば利益を度外視して無償で情報を提供してくれます。

空き家問題を解決するための取り組みとして地方自治体同様に、時には空き家をNPO法人が管理・運営をするケースもあります。NPO法人は社会貢献の立場からあらゆる角度から、助言をしてくれるのでとても頼りになる存在といえるでしょう。

NPO法人を相談窓口として利用して、空き家を活用する事になった場合は不動産業者を利用しなくてはなりません。その事を理解した上でセカンドオピニオン的立場として相談するのが良いでしょう。どこに相談して良いか分からない場合の相談相手として、NPO法人に相談する事がおすすめです。

<メリット>

  • 中立的な立場からアドバイスが貰える
  • 幅広い情報網があり、提案の幅が広がる

<デメリット>

  • 実際に空き家を活用する場合は不動産業者などに頼む必要がある

3.空き家ビジネスの今後と課題

年々、空き家が増え続け「空き家問題」は深刻な問題となっています。2013年に総務省より発表されている「平成25年住宅・土地統計調査(速報)」でも、全国の総住宅数は6,063万戸、そのうち空き家件数は過去最高の820万戸、空き家率は13.5%と結果が出ています。つまり、10件に1件は空き家が発生しているという計算になります。

この結果を受け、2014年5月26日に「空家等対策の推進に関する特別措置法(通称:空き家対策特別措置法)」が施行されました。この法律により「空き家」が定義され、空き家の所有者には、周囲の生活環境に悪影響を及ぼさないように空き家を適正に管理する責務があることが明記されました。建物が老朽化して倒壊のおそれがある場合、庭の植木が成長して道路の通行を妨げている場合、放置されたゴミにより悪臭や害獣が発生している場合などは、所有者は直ちにその状況を改善しなければなりません。

また、空き家の状態で下記の事項に該当する場合は、「特定空き家」に指定されます。

  • そのまま放置すると倒壊など著しく保安上危険となるおそれのある状態。
  • 著しく衛生上有害となるおそれのある状態。
  • 適切な管理が行われていないことにより著しく景観を損なっている状態。
  • その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態。

「特定空き家」に指定されると、自治体の判断により空き家を適正に管理しない所有者に対して、助言、指導、勧告などの行政指導、さらに勧告にしても状況が改善されなかった場合は、命令を出すことが出来ます。こうした問題を受け、空き家ビジネスは今後ますます増えると予測されます。増え続ける空き家を活用しない手はありません。しかし、空き家ビジネスには2点の課題があります。

1点目の大きな課題は、人口減少と高齢化です。人口減少が著しい地方では、過疎化が進み、家があっても住む人がいない状態になります。人口の流出に伴い年々空き家が増えていきます。人口減少が少ない都市部でも、高齢化により家主が老人ホームに転居したり、亡くなったりして家がそのまま放置されて空き家になってしまうことが頻繁に起こっています。

そのような場所で空き家を活用してもビジネスとしてうまくいきません。つまり、空き家ビジネスは地域活性化にとって取り組まなくてはいけない一方で、地域を限定しなくてはうまくいかない可能性もあります。解決策としては地方自治体や、NPO法人とコミュニケーションを取り、地域が一丸となって空き家ビジネスに取り組む事です。

2点目の大きな課題は、空き家を解体するのにも、それなりの費用がかかることです。そして更地にすると、土地にかかる固定資産税の優遇措置が適用されなくなりますので、売却予定がない限り空き家を解体することを躊躇する所有者が多いようです。

空き家ビジネスは空き家所有者一人では解決できる問題ではありません。地方自治体、NPO法人、不動産業者、地域の方々のサポートがなくては成功しません。多額な費用が掛かり空き家所有者が断念するケースも少なくありません。

解決策として、地方自治体や国からもインセンティブを出し建築費用の補助金を出す取り組みが増えてきています。今後、それがもっと広がれば空き家問題解決に向けて、空き家ビジネスがますます増えていくと考えられます。

4.まとめ

いかがでしたでしょうか。空き家の活用事例についてそれぞれメリット・デメリットを交えながらまとめてまいりましたが参考になったのであれば幸いです。

空き家問題は近年深刻化しており、それに伴って空き家ビジネスも増えてきました。今後ますます空き家問題解決に向けて空き家ビジネスは増えていくでしょう。その取り組みを多くの事例を通して身近に感じて頂くきっかけとなったのであれば嬉しいです。

是非、あなたもご自身の所有している大切な住宅が空き家になる前に、空き家の活用事例を参考にしながら空き家ビジネスに取り組んでもらえたらと思います。