超実践的!必ず抑えておくべきマンション経営のリスク対策8選

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不労所得を得て、経済的自由を得たい!副業として徐々にマンション経営を始めたい!相続税対策のためにマンション経営を始めたい! でも・・・・マンション経営ってリスクも大きいですよね。

実際に、全国で、マンション・アパート経営において借金の返済ができずに競売にかけられる競売件数は、リーマンショック後のピーク時に比べ減少はしているものの、1か月で2500件程度の競売物件が出ています。購入金額や借金の額が多額なのがマンション経営です。

せっかく始めた投資も思わぬ失敗をして精神的にも金銭的にもダメージを受けるのはさけたいところです。リスクをきっちりと抑えた上で、確実にマンション経営を成功させましょう。

リスクに対して事前に対策を立て、リスクを低減させていくには、まず、リスクを抽出するところから始まります。そこで本記事では、マンション経営をする上で、抑えておくべき8つのリスクを抽出し、その対策案をご紹介します。

是非、11つのリスクを吟味し、対策イメージを持ってみましょう。

空室リスク

年々高まる空室率

マンション経営では、収入がなくても支出は常に出ていくため、入居者がいなければ経営は成り立ちません。空室リスクは何としてでも下げていきたいところです。

全国の賃貸住宅の空室率は年々増加傾向にあります。これまで人口流入が多いと言われてきた首都圏でさえも、今や空室率は増加しているのです。 

図:首都圏の空室率の推移

空室率推移

常に発生し続ける支出 

収入がなくても、毎年出ていくお金としては、以下のようなものがあります。

(1) 管理費(物件維持管理費用、賃料集金管理、水道光熱費など)

(2) 借入金の返済

(3) 保有税(固定資産税・都市計画税)

(4) 所得税(所得税・住民税)   

例えば、年間家賃収入が600万円だとした場合、管理費100万円、借入金の返済250万円、保有税80万円、所得税40万円となると、手元に残るのは130万円です。この場合、空室が20%を少し超えたところで年間収支は赤字となります。全国平均の空室率が20%であることを考えると、この状況は普通に起こりうる状況です。

空室の理由は大きく2

入居者のライフスタイルの変化によるため

空室の理由1つ目は、入居者のライフスタイルの変化です。例えば、転勤、転職等、仕事関係の事情での退去や、結婚を機に、少し広い間取りに引越すなど家族構成の変化による退去、マンション・一戸建を購入したからといった不動産購入による退去などです。こうした理由による退去はオーナーのあなたには、中々どうしようもありません。

物件から得られる価値が低いため

一方、設備が古い、共用部があまりきれいに手入れされていない、セキュリティへの手当てが今一つで物騒に感じるなど、入居者または物件を探している人が支払う家賃に比較して得られる価値が低いこと、これが2つ目の空室となる理由です。

全国的に空室率が増え「借り手市場」となっている現在、入居者が価値を感じなければ空室となってしまいます。逆に言えば、オーナーさんが空室を減らすためにクリエイティビティを発揮するのもまさにこの入居者への提供価値をあげるというポイントになります。

空室リスクへの対策

誰にどんな価値を提供するのかはっきりさせる

まず、空室リスクを避ける最大の対策は、入居者のニーズとそこに対する提供価値をはっきりとさせることです。当たり前のようなことですが、意外に見落としがちです。なぜなら、マンション経営をするに際して、毎月安定した家賃で長期的な収入が得られる、駐車場や遊休地よりもマンションを立てた方が節税できるといった自分自身にとってのメリットのみを考え、利回りをはじめとする収益性の計算にばかり目が行ってしまうからです。

しかし、利回りが高い物件でもマンション経営を始めたら、実際には空室が目立ち家賃が入ってこないなんてこともよくあります。そうならないために重要なことは、未来、マンションに入居してくるお客さんにどんな価値を提供するのかを深く考えることです。

まず入居するお客さんはどんな人なのか、その人はどんな課題を持っていて、どんな価値を届けてあげると嬉しいのか、こうした仮説を立てることです。例えば、20代独身女性が入居者と想定した場合、「可愛くて清潔で安全でおしゃれな住環境」が提供価値とします。そうするとその提供価値の実現手段としては、洗面台はワイドでシャンプードレッサーがついている方がよい、もちろんオートロックで、かわいいクロスや、設備充実のキッチンを好むでしょう。たとえ外観が新しくても室内の洗面台が狭くて、とても料理をしようとは思わない古臭いキッチンであれば提供価値としては下がります。20代独身女性が何を好み、どんな生活を送っているのか、は友人の独身女性などに聞いて仮説を立てていくと様々なことが分かってきます。

マーケティング力のある管理会社と協力する

入居者の住まいに関するニーズを把握するには、その地域を熟知している、マーケティング力のかる管理会社と協力することも重要なこととなります。なぜなら、入居者属性を絞り込み、ニーズを推測し、提供価値を決め、それを実現する設備が何か、その設備ならいくら家賃がとれるのか、入居者のニーズが多種多様に広がるなか、こうしたことを適切に設定するのは経験の浅い大家さんだけでは難しいからです。

マーケティング力のある管理会社は情報収集力に優れ、豊富な情報やデータをもとにオーナーに対して家賃収入を増やすための手段などについて適切なアドバイスを行います。オーナーをいかに儲けさせてあげようか、さらには入居者にいかに満足してもらおうかと考えている優秀な管理会社は常日頃から様々な情報にアンテナがたっているものです。空室が出た際に、なぜ空室がでているのか分析できるのは、そうした情報から組み立てられるわけです。空室がでたから、何の戦略もなく家賃をさげましょう、というアドバイスだけでは、空室リスクはさがりません。そのような管理会社は以下の3つのステップで選びましょう。

①仮説を立てる

「誰にどんな価値を提供するのかはっきりさせる」で前述したように、あなた自身の頭でイメージを膨らませ仮説を立てることがまず重要なこととなります。ターゲットとなる入居者像から、その入居者に対して提供できる価値が何か、例えば、そのようなターゲットはその近辺に住んでいるのか、どのような行動をとっているのか、その場合、住まいに求めるものは何か、具体的に物件の設備としてどのようなものがあるのが望ましいのか、相場も踏まえてその物件に対していくら支払ってくれるのか、といった仮説をたてます。

②管理会社に対して仮説を検証し、反応を見る

①で立てた仮説が実際に正しいのか、外れているのか検証するつもりで、管理会社の担当者さんへ詳細に且つ具体的に質問をしてみましょう。そこで、管理会社から具体的にイメージのわく詳しい情報の説明があり、さらにそれを前提に提案をしてくれるようであれば、その管理会社は今後の強い味方になるでしょう。

③管理会社が望むことも確認する

管理会社の方と話をする際、あなたが一方的に自分の希望のみを話し、管理会社を評価してやるという姿勢だけでは、その後うまい協力関係は築けません。ですので、その管理会社が何を信念としていて、不動産の管理を通してどんなことを望むのか、を直接的、間接的に聞いてみましょう。例えば、地域密着が売りの歴史の長い不動産屋さんで地域との関係を重視しているのか、大手の不動産屋企業の店舗で長い目でトータルな提案をしたいのかなど。その望みもかなえてあげるスタンスでこちらが接すれば、相手からも有用な情報も引き出せるでしょうし、その後の良い関係にもつながるでしょう。

管理会社に丸投げしない

管理会社と契約すると初めから全て管理会社にお願いしておけばよいと思いがちですが、実はそうではありません。全てお願いするにしても、業務の本質を理解した上でお願いしましょう。なぜなら、そうすることで、あなたの経験値が格段に上がり空室リスクをさげることもできますし、良い管理会社を見極めることもできるようになるからです。例えば創業期のベンチャー企業の経営者は、自分でお金を借りてきて、自分で人を集めて、マーケティング、経理、現場の実業、それに伴う事務処理もすべてを自分でこなします。そして、売り上げが伸びてきて、社長だけでは回らなくなってくると、社長はより付加価値の高い仕事に専念し、自分以外でも代用できるような仕事は部下やアルバイトに任せていくわけです。そうして一通りの経験にともなう知識を持つからこそ上手に人に任せられるのです。空室リスクを下げるためのマーケティング、戦略立案を行うにしても、本質を理解しないまま管理会社に丸投げするのではなく、1.4.1で述べたように入居者のニーズやそれに対する提供価値、それを実現する設備、など自分の頭で考え、調べ、自分自身の仮説を持った上で管理会社の力を借りましょう。

物件周辺の不動産屋さんは全て訪問し提供価値をしっかり知ってもらう 

マンション入居希望者で、不動産屋さんに足を運んでいる入居希望者は、あなたのターゲット顧客です。なぜなら、足を運んでいる時点で条件が希望通りであれば即決する可能性が高いためです。入居希望者は1件の不動産屋で希望に沿う物件を複数紹介してもらいます。その際に不動産屋さんがあなたの物件をその魅力とともに紹介し、内見までつなげてもらえると契約の確率が格段にあがります。

さらに、あなたの物件が入居希望者の目に触れる頻度を増やすためには、物件のあるエリアの不動産屋さんには全て回ることをお勧めします。そして、名刺を渡し、名前と顔を覚えてもらい、物件がどんな入居者向けでどんな価値を提供するのか、しっかりと説明をしておきましょう。

不動産屋さんにとっては、電話やメールだけではなく直接会ってお話をした方が何倍も印象に残ります。不動産屋さんもとても貴重なパートナーとなりますので、一軒一軒丁寧に敬意を表して、訪問しましょう。訪問後はその日のうちに、必ずお礼のメールも一本打つようにしましょう。一度、丁寧に関係を作ってしまえば、その後の空室が出た際でも相談をしやすくなります。

手ごろな価格設定をする 

家賃を決めるときはまず周囲の物件で同じような物件の家賃相場に合わせて検討します。また、立地・間取り・設備・環境・構造などにもよって決められますが、極端に相場に合わない家賃で設定してしまうと空室のリスクが高まってしまいます。ただし、一度決めた家賃を空室が出たので安易に下げるということはやめましょう。なぜなら、家賃を一度下げてしまうと、そのマンション投資から得られる利益を圧迫してしまいますし、マンションは年数とともに劣化しますので、長期的に見ると更に家賃を下げざるを得なくなり経営が一層苦しくなるためです。

金銭的なインセンティブを活用する

入居者にとって特別なインセンティブを与えることで入居の決め手となることもあります。最高のインセンティブとしては、設備の更新、リノベーションによる価値向上です。しかし、資金面で中々そうしたインセンティブを実現できない場合、もっとも手っ取り早く、効果的なのが金銭面でのインセンティブです。

代表的なものに、フリーレントや敷金・礼金の減額です。フリーレントは1か月や2か月の一定期間家賃を無料にすることです。家賃をさげることなくインパクトの大きいインセンティブとなります。敷金・礼金は都内の物件の場合、通常2か月、2か月というのが慣例になっている。契約の際には敷金、礼金に加え、仲介手数料1か月分、引越し代も2か月分くらいはかかってくる。そう考えると敷金か礼金を緩和することで、引っ越し代が浮くと謳えば、入居希望者は「お得感」を感じ入居を決断しやすくなります。

入居者と信頼関係が退去を防ぐ

入居者とコミュニケーションをとる機会をつくり、入居者の要望に応えることができれば信頼関係が築かれ、長く住んでもらうことができます。そのためには入居者と顔見知りになると要望を聞きやすくなるでしょう。しかし、物件の管理自体を管理会社に任せているのであれば、中々直接顔を合わせて話をすることはできません。そうした場合、1年に1回程度、入居者に電話をして日頃の感謝を伝えるとともに、困っていることがないか、住み心地はどうか、など聞いてみることをお勧めします。入居者が快適な住生活を送ってほしいのでそのためにできることがあればやるというスタンスで、入居者の話を聞いてみてみると入居者も快く要望や課題を教えてくれます。要望をいち早く把握できれば対策を素早く講じることもできます。そうやって入居者とオーナーの間に信頼関係が築かれていけば、住み心地の良さを感じ長く住んでもらうことができます。

また、入居者が退去をする大きな理由の1つは更新料の負担です。もし更新料が高いために退去しようと入居者が考えているならば、それを早めに知り更新料を半額にすることで退去を防ぐこともできます。また、更新料や要望対応への不満がなく、結婚や転職等、入居者の都合による退去だとしても、その退去の時期を早めに知ることができるならば、事前に入居者募集をかけることができ、空室の期間を最小にすることもできるのです。

家賃下落リスク

経年劣化による家賃下落 

マンションは建てた瞬間から劣化が始まります。そして、周辺地域に新たなマンションが建設されると、古いマンションの競争力はさらに落ちていきます。以下は、三井住友トラスト基礎研究所が発表したレポートで、東京23区のマンションの経年に伴う家賃の推移を表わしたグラフです。

図:東京23区のマンション家賃の推移

家賃推移

このグラフから見て分かるように、家賃は以下3段階で下落していくイメージです。

  1. 第一段階 築310年 年下落率 約1.7
  2. 第二段階 築1120年 年下落率 約0.6
  3. 第三段階 築21年以降 年下落率 ほぼ横ばい

3年目から築25年の間に、平均して毎年約1%ずつ家賃が下落しています。

契約更新で家賃下落リスクは高まる

一度入居した入居者は入居時の家賃で住み続けてくれることが多く、途中で家賃の値下げ交渉をされることはあまり多くありません。しかし、一度入居者が退去したあと、新たに入居者を募集する段になると、周辺の家賃相場と経年劣化に伴うマンションの価値を勘案して家賃設定をしなければ入居者が決まらず、低い家賃設定を余儀なくされます。特に、新築物件は家賃価格が相場にくらべて高くてもそれを了承して入居する人がほとんどですので、最初は高い家賃収入が見込めます。しかし入居者が2年に1度の契約更新の時に退室するのか契約更新するかの判断が求められ、退去してしまった場合新しい入居者を募集するときは中古物件扱いになってしまいます。すると家賃価格も周りの相場と合わせる必要があり、家賃収入も落ち込んでしまいます。

家賃下落リスクへの対策

 物件購入前に冷静な計算を行う 

「賃料下落リスク」への対策は、物件購入前から始まります。そもそも経年劣化に伴う家賃下落はある程度やむをえないことです。大切なのは将来の下落率をどれだけ正確に予測できるか、ということです。この点、購入時の収支計画を厳しく確認し、それでも経営が成り立つか確認することがポイントになります。次の手順で確認するとよいでしょう。

①潜在収入は適正家賃(2ヶ月で決まる家賃)で計算する

中古物件で、すでに入居者がいる場合、そこには、昔からの高い家賃で入居している人、特別安い家賃で入居させた人が混在しています。今後どのくらいその物件から収入を得られるか(潜在収入)を計算する際は、すべての入居者が入れ替わったとして、周辺の家賃相場から計算しましょう。家賃相場は、2~3件の不動産屋さんに聞いてみると分かるでしょう。また、首都圏の家賃相場であれば、「適正家賃.COM(https://tekiseiyachin.com/)など便利なサイトもあるので参考にしてみるとよいでしょう。

②その地域の空室損失を考慮する

空室による損失を見積もりましょう。例えば、単身者の住む1ルームマンションは4年~5年に1回空室になると言われています。ここでは4年に1回と想定します。また、空室になった場合何か月で埋まるのかを想定します。ここでは3か月とします。お部屋が10室、平均家賃5万円の物件とした場合、空室損失は以下のように計算できます。

解約数(年間で何室空室になるか)  :10室×25(4年に1)2.5

空室期間(年間での総空室期間)   :2.5室×3か月=7.5か月

空室損失(年間での空室による損失額)5万円(平均家賃)×7.5か月=37.5万円

以上のように、現実的な収入額、空室損失もあらかじめ計算しておくことがリスクを十分に考慮する上で重要なことです。パッと見た利回りが良いからといって飛びつくのではなく、冷静に計算をしてみましょう。

空室を出さない 

そもそも空室を出さなければ家賃を下げる局面は少なくなります。なぜなら、前述のように、基本的に入居者は入居した時の家賃で住み続けてくれるものだからです。契約更新のタイミングで家賃値下げの交渉を持ちかけられることもあるかもしれませんが、そのようなケースはそう多くはありません。しかし、入居者が退去すると、物件の価値は、すぐさま市場で判断されることになります。購入時からみれば、築年数もさらに経っており、賃料を下げないと入居者が付かないといった事態になります。

人気沿線の物件を経営する

都心に近くて人気の沿線の物件を選ぶことをおすすめします。なぜなら家賃はその地域において家を探している人(需要)とマンション供給のバランスできまってきます。ですから、人口が多い都心は家賃が下がりづらく、地方では家賃が下がりやすくなっています。例えば、現在、東京都心部への人口流入は19年連続転入超過で、未婚率、離婚率の増加などにより単身世帯が増加傾向にあります。そこから考えると、東京都心部における単身者マンションの家賃は安定しやすいということになります。さらに都心の中でも人気沿線の物件は家賃が下がりにくいです。

例えば、「住みたい街ランキング」(https://suumo.jp/edit/sumi_machi/2017/kanto/)を見てみるとJR山手線はもちろんですが、東急沿線は人気です。こうした沿線はイメージとして素敵な街というだけではなく、職場まで乗り換えなし、もしくは1回の乗り換えで行けてしまうとか、休日は遠出しなくてもある程度買い物できるなどの魅力のある街です。こうした街にある物件は家賃下落リスクは低くなります。

10年以上の中古物件を経営する

家賃下落リスクを回避する上でオススメなのは中古物件です。築10年を過ぎると家賃下落も緩やかになるためです。また、マンションに致命的な欠陥があれば、たいてい築10年以内に露呈すると言われています。従って、最初の10年間で大きな欠陥が発見されなければ、その後の10年あるいは20年も大丈夫である可能性が高いといえます。ただし、古い物件は修繕リスクも考慮しましょう。

滞納リスク

滞納問題は大家さん泣かせ 

滞納問題は大家泣かせです。入居者が単に忘れているだけならまだ良いですが、払う気があってもお金がない場合や、中には払う気がない入居者の場合はどうでしょう。催促の電話をしてもつながらない、メールをしても返信もない、最終的には連帯保証人に連絡をとり、やっと振り込まれる、それも一度二度でないとしたら、大家さんが直接催促し続けるというのは限界があり、精神的にも疲れてしまいます。

滞納率は高い

2015年の全国平均の滞納率は以下の通りです(20165月「日管協短観」参照)。

・月初全体の滞納率:7.3

・月末での1か月滞納率:3.0

・月末での2か月以上滞納率:1.7

月末までに翌月の家賃を支払うというのが一般的です。30部屋のマンションだとすると、1年で1か月未満の滞納は26回、1か月の滞納は10回、2か月以上の滞納は6回ということになります。毎回催促の連絡をとる精神的負荷を考えると結構多い回数ですねよね。

滞納リスクへの対策

入居審査を慎重に行う 

入居審査は以下のようなポイントで慎重に審査を行いましょう。

①職業に関する情報を確認する

職業に関する以下のような情報は必ず確認しましょう。

・どのような職業に就いているのか

・正社員か、契約社員か、派遣社員か

・どれくらいの期間同じ場所で働いているか

・収入はどのくらいなのか

収入に関しては、源泉徴収票や給与明細書といった裏付け資料の提出を求めましょう。

また月に稼ぐ収入の4分の1以内に家賃が収まっているというのが一つの目安です。以前は3分の1という見方もありましたが、今は、携帯電話、インターネット料金といった昔には無かった月額コストが必要になったため。4分の1で見た方が安心です。

②転居理由は?

引越しをするにはお金がかかります。引っ越し代金の他にも、敷金、礼金、仲介手数料まであわせると、家賃の56か月分はかかります。そこまでのコストをかけて引越しするには相応の理由があるはずです。また、引っ越しシーズンは4月(入学、入社)と10月(転勤)が多い傾向にあります。これらの時期を大きく外れるような引っ越しや、明確な理由がない引っ越しには、何か事情がある可能性が高いと考え警戒の対象となります。

③以前の入居期間は?

引越しのタイミングとして多いのは、更新の時期です。2年住んで更新のタイミングで新たな物件を探しているということであれば分かりますが、1年も住んでいないのに引越し、転居の理由は特になし、ということでしたら怪しいと言わざるを得ません。②と合わせて考えましょう。

④連帯保証人は?

連帯保証人は、滞納家賃の立て替え払いはもちろんのこと、万が一入居者が近隣とのトラブルを起こしたような場合、入居者と話が折り合わない場合、連帯保証人とも相談をして問題を解決することもできます。よって、連帯保証人は必ず取るようにしましょう。連帯保証人は通常は入居者の両親であることが多いのですが、もし両親がご健在でありながら、連帯保証人が両親ではない場合はその理由から本人に何か問題がないのか注意をしましょう。

以上のようなポイントで不動産会社にも協力してもらいながら入居審査は慎重に行いましょう。

家賃回収はプロにお願いする

大家さんが直接催促して家賃を回収するにも限界があります。その場合、多少費用がかかりますが、管理会社や家賃保証会社にお願いしましょう。

管理会社に依頼する 

管理会社に依頼をする場合、概ね家賃収入の5%程度の手数料がかかります。管理会社は家賃回収の他にも、入居者からのクレームやトラブルへの対応、契約の更新などの管理手続きに加え、入居者の募集まで行ってくれます。

家賃保証会社に依頼する

家賃保証会社は入居者の支払いを保証するという立場で、保証会社が入居者を審査した上で、入居者が保証料を保証会社に支払うという形態です。賃貸借の契約期間によって金額は異なりますが、2年契約の初回時は13万円程度、もしくは家賃の3070%という設定が多いです。

金利上昇リスク

キャッシュフローに打撃を与える金利上昇

日本は低金利と言われて久しいですが、これから上がる可能性はあります。長い借入期間のうち、当初の金利の低さに目を奪われることなく、金利上昇時にも返済可能かどうかをしっかりと見据えて借り入れをすることはとても重要です。過去の金利の推移は以下の図の通りです。

金利推移

図:民間金融機関の住宅ローン金利推移(変動金利等)(出所:住宅金融支援機構のHPより転載)

例えば、2%の金利で5000万円を30年ローンで借り入れた場合、月々の返済額は185,000円です。もし金利が上昇し、5%になったとしたら月々の返済額は268,000円となります。45%支払額が増えます。その時、家賃を引き上げられないとすれば、その分だけ手取り収入が減ります。最悪の場合、銀行への借入返済が滞る恐れもあるのです。

バブル景気が発生する以前の80年代に、住宅ローンやアパートローンの金利は、5%~8%くらいが当たり前でした。そう考えると、事業の収益計画に当たって、5%くらいの金利上昇は想定しておいた方がよいといえます。

金利上昇リスクへの対策

収益計画段階で折り込む

前述のように、収益計画段階で5%くらいの金利上昇は想定しておいた方がよいです。少し金利が上昇したら利益が全く出ない、更には赤字が出るような場合は投資を見直す必要があるといえます。計画を見直す際には借入金額や借入期間、自己資金と借入金とのバランスなどを見直し、それでも改善できないような場合は投資そのものを見直す必要があるでしょう。

固定金利で借りる 

固定金利で借りることで金利の上昇リスクをおさえることができます。ただし、固定金利でも、初めの段階から5年もしくは10年間の金利を固定とし、その後は変動金利に切り替わるのが一般的です。ローン申し込みの際に、よく確認をしましょう。

繰り上げ返済する

変動金利を選択した場合の賢いやり方として、繰り上げ返済をしていくという方法があります。金利が上昇した際、手元の自己資金が必要にはなるものの、繰り上げ返済をすれば、金利上昇リスクは減らすことができます。

換金性のリスク

不動産は換金性のリスクが高い

マーケットでの取引高が少ないため、不動産を換金しようと思った時に、すぐに売れない、希望した価格で売れないリスクが換金性のリスクです。不動産投資は株式や債券などの金融商品とは違い、そもそも金額が大きいこと、売買相手を探すのが大変などのために、売買が簡単ではなく、換金性が低いと考えられます。急に現金が必要になったからと言って、不動産を売り急ぐと売却価格が低くなってしまいます。

換金性のリスクへの対策

換金性の高い物件を選ぶ

できるだけ多くの人に購入したいと思ってもらえる好条件の物件を手に入れることが一番の対策になります。そうすれば売りたいときにすぐに買い手がつきます。具体的には、需要の高い立地の物件を選ぶこと、買い手が買いやすい小さな物件を選ぶことです。例えば、都心部の中古ワンルームマンションは、実質利回り5.58%と比較的高く、ローンを利用して購入しても十分に黒字となるため、投資対象として魅力的な商品とされ人気がありますので換金性は高いといえます。

出口戦略をあらかじめ想定しておく

いつ、いくらで物件を売却するのか、この戦略を出口戦略といいます。出口戦略あらかじめもっていないと期待通りの家賃収入が得られたとしても思惑通りの価格で売却できなければ最終的に赤字になってしまう可能性もあります。この出口戦略を常に持っていれば、タイミングを逃さず換金をすることができます。では、物件を売却するタイミングはどのように考えればよいのでしょうか。

現在の収支=これまでの家賃収入+現在の物件相場価格購入価格

これがプラスになっていれば、すでに投資は成功しています。あとは「現在相場」が大幅に下落する前に売り抜ければ投資は成功に終わります。このタイミングがいつになるのかあらかじめシミュレーションをしておきましょう。

運転資金を十分に確保しておく

換金性のリスクを下げる根本的な対策は、急に換金が必要とならないように運転資金を確保しておくことです。売り手側の事情で換金が必要になった場合、買い手から買い叩かれてしまいます。前述のあらかじめ立てた出口戦略に則って、意図した通りのタイミングで売却を決めるためには、そのような不動産売却を急がなければならい状況を作らないことが重要です。

修繕リスク

建物の老朽化に伴って発生する修繕費用は直接収益に影響し、キャッシュフローを悪化させる原因にもなります。例えば、外壁や共用部の修繕費用、室内の設備機器の突発的な故障等は古い物件であるほどにリスクを考慮した経営が必要となります。特に10年~15年を過ぎた物件は修繕箇所が増えます。その時期に修繕する資金がなければ、建物を維持できずに家賃水準や入居率を維持することが年々難しくなっていきます。

修繕リスクへの対策

中古物件は修繕履歴を確認する

物件の管理会社に確認をすると、これまでに行った修繕工事が全て掲載されている一覧を見ることができます。これをみることでどの箇所の修繕が必要になってきそうなのか?をあらかじめ予想しておくことができます。また、交渉によっては修繕に要するコスト相当額を売買代金から差し引いてもらうことも可能となる場合もあります。

修繕費用を積み立てておく

大規模修繕費用を毎年積み立てて修繕のために備えましょう。金額の目安としては、建物価格の0.5%から1パーセントを毎年積み立てる必要があるといわれています。5000万円の1棟マンションであれば、25万円から50万円を毎年積み立てていく計算です。ただし、築年数や過去の修繕履歴によって変化するため積立金額は管理会社ともよく相談をしましょう。具体的な修繕費用の利用用途としては、「内装・外観のリフォーム代」「給排水設備などの故障修理」「装備したエアコンや給湯器の故障」などです。

新築物件や築浅物件を選ぶ

中古ワンルームマンションへの投資は、購入価格が安く、利回りが高くリーズナブルです。しかし、20年を過ぎる物件は、給水管の老朽化に伴う破裂など構造的な問題により、大規模なメンテナンスを迫られる可能性もあります。国土交通省の調べによると、築30年超のマンションのうち、5割以上のマンションにおいて「配管や給水設備の劣化」を理由に、建て替えが検討されています。物件購入後すぐに大規模修繕時期になってしまうといくら利回りが高くても資本が回収できるとは限りません。

そういったことに関する知識に不安がある方は築浅物件を選ぶことをおすすめします。

災害リスク

地震や火災が起きてしまうと、一瞬にして大家さんはその資産を失うことになります。物件の構造、地盤などを考慮して、入念にリスク対策を行いましょう。

災害リスクへの対策

震災に強い物件を選ぶ

①築年数から考える

1981年(昭和56年)に耐震基準が大きく改正され新耐震基準になりました。それ以降に建てられた建物は、阪神淡路大震災や東日本大震災でも、大きな被害は受けていません。旧基準では震度5程度の地震に耐えうる住宅の規定となっていますが、新基準では震度6強以上でも倒れない住宅の規定となっています。ですから物件を選ぶ際には1981年以降の物件を選びましょう。

②耐震等級も参考にする

新耐震基準をクリアしていて大地震でも建物が倒壊しないとしても、損傷する可能性はあります。例えば、給排水管がダメージを受けたり、建物が傾いたりした場合、大規模な修繕をしなければなりません。そこで耐震等級も参考にしましょう。耐震等級は住宅品質確保促進法に基づき規定されていて、等級1から等級3までの3つのランクがあります。等級は数字が大きいほど性能が高く、等級1は新耐震基準レベル、等級2はその1.25倍の強さ、等級3は等級11.5倍の強さという意味です。

③災害に強い立地を選ぶ

自然災害のリスクは地形から知ることができます。水害は、洪水などの危険性を示した各自治公開のハザードマップが参考になります。地震については、地盤がしっかりしている地域は周辺地域に比べ揺れにくくなっています。また液状化の被害を大きく受ける埋立地にある立地は避けたほうがいいでしょう。これらの調査としては地盤安心マップ(https://jibannet.co.jp/map/)が分かりやすいです。建物の住所を入力すると、その地形の地歴、災害履歴、活断層などを知ることができます。また、以下のような地震リスクを無料で審査してくれますのでこちらも参考にしてみましょう。以下は神奈川県川崎市のとある地域の調査結果です。

地盤リスク

出所:地盤安心マップ®を活用して出てきた地盤リスク結果(一部加工)

保険に加入する

災害リスクへの対策として「火災保険」には加入しましょう。火災保険は、火事による火災補償の他に、強風などによる風災補償、雪による雪災補償、雷による落雷補償、破裂・爆発による補償、水ぬれによる補償、盗難による補償までカバーしている万能の保険です。火災保険の他には地震保険も検討しましょう。火災保険の方はほとんどの方が加入されていますが、地震保険は加入の割合は30%弱です。地震保険は火災保険とセットであることが多く、生活再建が目的であるため補償額が火災保険での補償額の30%~50%となっています。収入は安定しているが貯蓄が少ない、地震があった場合に収入が不安定になる可能性があるなどの条件があれば、加入しておいた方が安心です。ただし、リスクやニーズに照らして無駄な保険料は支払わないようによく吟味しましょう。

事件、事故リスク

「事故物件」は家賃下落につながる

人が住んでいる以上、物件の中で死亡するリスクは常につきまといます。特に入居者が殺人事件や自殺によって死亡した場合、経営上大きなダメージを受けることになってしまいます。こうした物件は事故物件と呼ばれます。新たに入居者を募集する場合、事故物件の告知義務についてはまだ明確なルール化がなされていませんが、少なくとも事故(事件)が発生して数年の間は告知するのが通例とされています。その間、それまでと同じ賃料で入居してくれる可能性はきわめて低くなってしまうでしょう。また、事故物件のでも、自殺や他殺、自然死でも発見が遅れて腐敗が進んでしまったなどの場合、原状回復費用負担や空室期間が長引くことも想定されます。

事件、事故リスクへの対策

火災保険に「家主費用特約」を付帯する

火災保険に特約として付帯できる「家主費用特約」では、賃貸住宅内での死亡事故発生に伴う空室期間、家賃値引期間分の家賃の損失や、清掃、脱臭、遺品整理等にかかる費用を補償してくれるので、検討しましょう。

犯罪防止の対策をする

犯罪者が近寄らないような対策をすることで、犯罪を起こすリスクを減らすことができます。例えば、ピッキング対応のシリンダー錠への交換や、侵入予想経路にあらかじめ監視カメラを設置すること、そうすると犯罪者側の侵入そのものをためらわせることができます。これらの対策を複数導入することで、犯罪に合う確率はぐんと低くなるはずです。またこのような対応は入居者に取って付加価値も増大し、安定した入居者の確保にもつながります。

さいごに

アパート、マンション経営におけるリスクとその対策を理解頂けましたか。失敗を恐れてチャレンジしないと、チャレンジをしたことで得られる収益、経験、知識や人との出会いなど大きなリターンを得ることはできません。失敗を恐れず成功するためには、あらかじめ想定されるリスクに対する対策のイメージをより膨らませることが重要な第一歩となります。本文で述べたリスクとそこへ具体的な対策があなたの成功イメージを膨らませることができたならばとても幸いです。あなたのアパート、マンション経営の成功を応援しています!